2008年8月30日渋谷O-EAST
初期衝動は渋谷を火の海にした!
それはある夏の事件だった
劇団福耳が渋谷O-EASTの大トリ!?
それは2008年の春のことだった。ライブハウスL@N赤坂、赤坂MOVEと懇意にさせていただき、バンド、音楽関係者とも大の仲良しになって「オレたちもマキシマムザホルモンやビートクルセイダースみたいなバンドマンの仲間入りだぜ!」とかなんとか言ってtt田中と31才のワタシが子供みたいにはしゃいでいたころだ 。
そこに赤坂のころから仲良くさせていただいていたライブハウス関係者、高谷さん(M-スマイル)から一本の電話があった。
「夏にO-EASTでイベント組んでるから福耳出ちゃってください。大トリでお願いしまーす。」
おーいーすと?たしかその名前には聞き覚えがあった。そう、そこはついこのあいだ血眼になってチケットを手に入れ、20代の若者に負けじと最前列に突っ込みマキシマムザホルモンのライブを観た場所ではないか。そのときはたしか1000人以上の客であふれかえる場所だった。福耳がマキシマムザホルモンと同じ舞台に・・・あまりに早い夢の実現に一瞬アタマがクラクラした。
「そのお話、もう取り消しは聞きませんよ。ガッチリ受けさせていただきます!」
こうして夢の企画「渋谷大炎上!」は決定したのだった。
バンド「ゆげ」とイベント恒例のコラボレーションまで実現!
その出来事のあと、程なくバンド「ゆげ」の鈴木さんから連絡があった。
「福耳も渋谷大炎上出るそうじゃないですか。一緒になんかやりましょうよ。」え、いっしょ?そういえは「ゆげ」は夏に渋谷O-EASTでライブがあると言っていたことをこの時思い出した。
三谷「ええ!一緒のイベントなんですか!?渋谷大炎上って?」
鈴木「だから今度のライブのタイトルですよ。福耳の「赤坂炎上」からパクったみたいです。」
この時はじめて聞いた。というわけで一も二もなく当然コラボレーションである。ゆげの鈴木さんが役者として福耳に出演し、ゆげの新曲「スペードのエース」のダンスを福耳が創作し渋谷で踊る。という夢のコラボレーションまで実現することになったのだ。
バンド「ゆげ」はおそろしくサイコーのライブパフォーマンスとノリノリの楽曲で三谷とtt田中が絶賛するバンドである。前述の高谷氏のとりなしで赤坂のイベントに一緒に出演し、福耳と意気投合した。福耳とはいわばマブダチである。ちなみに劇団でも福耳とこれほどに仲のいい劇団はいない。
全部で4団体が出演した大型イベント
「ゆげ」も秀逸なパフォーマンスを披露
この日は福耳とゆげのほか「リカコちんだーびれ」「めたどん」というバンドが出演し、さらにはお笑いコンビの「いちもくさん」が司会進行をつとめ、会場はおおいに盛り上がった。
なかでもゆげは新曲を含む定番の楽曲を披露し、秀逸なライブパフォーマンスは群を抜いて際立っていた。新曲「スペードのエース」では三谷とtt田中がダンサーとして参加、ゆげに迷惑かけないようにとドキドキだったが、舞台から見る会場は盛り上がっていたようだ。
そしていよいよ大トリ、劇団福耳
3組のバンドがライブパフォーマンスを終えた後、いよいよ大トリ劇団福耳の出番となる。大トリでありながら、本日唯一の劇団出演である。というか渋谷O-EASTに劇団が出演することなんであるんだろうか?そんな疑問を持ちつつも劇団なので少し多めにリハーサルの時間を頂いていたのに、リハが押しに押して結局5分くらいしかリハーサルをしていないことが一番不安だった。つーか5分じゃゲネプロどころか、ダンス一曲だってろくに通せない。しかしそんなトラブルは舞台では日常茶飯事。とにかく本番である。本番ではトリの福耳前にバンドの機材を全て片付けていただくため、転換に少し時間がかかる。高谷氏が代表を務めるM-スマイルの優秀なスタッフの手際の良さによりスムーズにイベントは進行した。
夏、渋谷の夜は熱かった
クライマックスを迎え、興奮は最高潮に達した
この日の大トリ、劇団福耳の盛り上がりは凄まじかった
バンドの中で唯一の劇団出演、初のO-EAST出演に加えてゲネプロ無しのぶっつけ本番という不安で、出番前の三谷はあまりの緊張で奥歯をガチガチ言わせてふるえていたが、他の出演者は逆にこの大舞台を楽しんでいた。わくわくして出番が待ちきれないといった体だ。なんて図太い神経の持ち主、いや頼もしい仲間たちだ。
開演直後こそ会場はざわついていたが、芝居が進むにつれお客も引き込まれていくのが舞台で感じられた。そして芝居の中で唐突に挟まれるデスメタル、そのあまりなダンス挿入のタイミングは逆に斬新でお客の心をとらえていた。ゆげ鈴木さんの巨体を生かしたストーリー、その荒唐無稽な展開は「ああ、これはなにも考えずにただ楽しめばいいんだ。」と納得させるのに十分だった。
この夜、渋谷は文字通り大炎上したのだった!
大型ライブハウスで劇団公演という当初の不安も、終わってみれば大成功。ライブの合間に芝居のようなリズムの違うものが入ると逆に観やすいようだ。
ゆげとのコラボレーション、福耳の「スペードのエース」新作ダンスはライブパフォーマンスをさらに盛り上げて、役立ったようだ。曲の終盤では大円団となった。ほか2団体のライブも秀逸で最後の大炎上への布石となり、結果渋谷の夜は大炎上したのだった。
この日はO-EASTと同じ系列のライブハウスO-WESTでビークルのヒダカトオル氏のライブも行われていた。特に福耳とのカラミは無かったのだが、ヒダカ氏の熱狂的なファンであるtt田中は目と鼻の先で同じ時間により大きな舞台でライブが出来るこの光栄は状況に涙を流して感激していた。